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2006 Fiscal Year Annual Research Report

概念形成へのメタファの関与に関する現象学的、認知言語学的研究

Research Project

Project/Area Number 18520020
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionAichi Prefectural University

Principal Investigator

宮原 勇  愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (90182039)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宮浦 国江  愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (50275111)
Keywords現象学 / 認知言語学 / メタファ / 身体性 / 時間意識
Research Abstract

下記の哲学的な基礎概念に関して認知言語学的なメタファ理論から、そのメタファの構造と機能を、身体性という観点から分析した。まず、Reflectionという概念に関して、その背後にある光学的メタファと肘などの関節に関わる屈折運動が、意識の自己関係的運動を表現するのに使用されたことが解明された。特にこれはロックのテキストの分析を通じて行われた。そして、この反省概念に関しては、デカルト以来のヨーロッパ哲学の中心的理論が関わっているが、それかせ20世紀においてハイデガーやガダマーでは,超越論的主観主義の否定とともに徹底的な批判にさらされることとなった。しかし、意識の次元での自己関係的屈折構造の表現としては、ハイデガーにおいても、DaseinのSein理解の中に込められた自己関係的構造として保存されていることを明らかにした。それから、Substanceという概念に関しては、ギリシャ語のhypokeimenonにまで遡り、その概念の日常的意味内容、つまり家屋敷という不動産としての意味内容が、抽象的な概念、つまり「基体」という概念として使われ、それがsubstantiaというラテン語に翻訳されて、真に存在するものという意味を獲得するようになったことを、メタファ理論の視点から考察した。この分析にもousiaにまつわるハイデガーの分析を援用した。
以上の概念に関しては、哲学史的考察と語源的考察を予備考察としつつ、その身体的経験にまで遡るものであった。
また、「時間」にまつわる表象に関して、フッサールの時間意識の分析では、時間の流れの中で経験される対象の同一性が保持される「水平」の方向性と、一つの時点ですべての体験が重層的に共存する「垂直」方向の構造とが指摘されているが、本研究では、認知言語学者R.ラネカーによるAspectに関する分析がフッサールの時間分析と酷似していることが明らかとなった。

  • Research Products

    (8 results)

All 2006

All Journal Article (8 results)

  • [Journal Article] 認知言語学の哲学的前提と哲学的意味2006

    • Author(s)
      宮原 勇
    • Journal Title

      平成17年度科学研究費補助金研究成果報告書『テクスト理解過程にみる概念化の認知語用論的研究とその現象学的考察』

      Pages: 65-80

  • [Journal Article] 認知言語学は存在をどのように捉えるのか2006

    • Author(s)
      宮原 勇
    • Journal Title

      平成17年度科学研究費補助金研究成果報告書『テクスト理解過程にみる概念化の認知語用論的研究とその現象学的考察』

      Pages: 81-84

  • [Journal Article] 直示詞の機能と意味-フッサール『論理学研究』第一研究の根本的問題性-2006

    • Author(s)
      宮原 勇
    • Journal Title

      平成17年度科学研究費補助金研究成果報告書『テクスト理解過程にみる概念化の認知語用論的研究とその現象学的考察』

      Pages: 85-94

  • [Journal Article] コミュニケーションにおける相互人格的承認2006

    • Author(s)
      宮原 勇
    • Journal Title

      平成17年度科学研究費補助金研究成果報告書『テクスト理解過程にみる概念化の認知語用論的研究とその現象学的考察』

      Pages: 95-98

  • [Journal Article] ヨーロッパ哲学の形而上学では『もの』をどうとらえたのか2006

    • Author(s)
      宮原 勇
    • Journal Title

      平成17年度科学研究費補助金研究成果報告書『テクスト理解過程にみる概念化の認知語用論的研究とその現象学的考察』

      Pages: 99-110

  • [Journal Article] ヨーロッパ哲学のカテゴリー論の形而上学的前提2006

    • Author(s)
      宮原 勇
    • Journal Title

      平成17年度科学研究費補助金研究成果報告書『テクスト理解過程にみる概念化の認知語用論的研究とその現象学的考察』

      Pages: 111-118

  • [Journal Article] 現象学とエポケー -フッサールはデカルトの徒なのか、ピュロンの徒なのか2006

    • Author(s)
      宮原 勇
    • Journal Title

      西洋古典叢書月報 63

      Pages: 1-4

  • [Journal Article] テクスト理解過程にみる概念化の認知語用論的研究-その方法2006

    • Author(s)
      宮浦 国江
    • Journal Title

      平成17年度科学研究費補助金研究成果報告書『テクスト理解過程にみる概念化の認知語用論的研究とその現象学的考察』

      Pages: 1-27

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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