2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520038
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
山田 俊 熊本県立大学, 文学部, 教授 (30240021)
|
Keywords | 道教 / 洞神經 / 三皇經 / 三洞四輔 |
Research Abstract |
1,「洞神經」佚文の収集 初年度の平成18年度は、「洞神經」及び関連する『三皇文』、『三皇經』の佚文を収集することを主たる研究内容とした。『正統道藏』、『藏外道書』等の道教文献の他、『大正新脩大藏經』等の仏教文献、『四部叢刊』、『四庫全書』、『古今図書集成』等の一般叢書などを対象として広く調査収集を行い、佚文調査はほぼ完了したと言える。 実績としては、巻次が明確な「洞神經」侠文、巻次が不明な「洞神經」の佚文を相当数収集することが出来、相互に照らし合わせることで、巻次不明佚文もある程度の整理が可能であるとの見通しが立った。最終年度報告書に於いて、これら佚文は「資料集」として提供される予定である。 2,先行研究の整理 「洞神經」及び『三皇文』、『三皇經』に関する内外の先行研究を時系列に沿って体系的に整理することで、研究史自体が内包している問題点を浮かび上がらせることが可能となった。特に、「洞神經」が「十四巻」であるという記述の出現時期と、「十四巻」の具体的な経文の出現との時期が一致するものなのか、この点は更に検討を必要とする事項であることが確認された。又、『三皇文』、『三皇經』と「洞神經十四巻」との具体的な関り、『太上洞神三皇儀』が記録する「十四巻」と収集された「洞神經」佚文との関りに就いては、いずれも先行研究では中途半端な考察に留まっていた。これら問題は、収集された「洞神經」侠文に基づくことで具体的な整理検討が可能となる見通しが立った。 3,来年度の予定 上記成果と検討課題に基に、「六朝以来道教文献に見られる"洞神經"」(仮題)と題した論考を、経過報告として来年度中に纏める予定である。
|