2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
針貝 邦生 佐賀大学, 医学部, 助教授 (50124813)
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Keywords | ミーマーンサー / クマーリラ / タントラヴァールッティカ / 祭名章 / 梵語写本 / サンスクリット語 |
Research Abstract |
「タントラヴァールッティカ祭名章の研究」と題する本研究を遂行するにあたって最も重要な基本的問題は、本章のサンスクリット原典テキストの不備にあった。すなわちタントラヴァールッティカはインドにおいて過去4回の出版がなされていて、それらが学界で利用されてきたのは事実であるが、実際に利用してみて誰でも気づくことは、それらのいずれもがテキスト校訂上の欠陥を有しているということである。そこで私は先ずこの欠陥を克服するために、とりあえず入手することができた4本のタントラヴァールッティカの写本を検討し、異読も含めてそれら写本の正確な読みを示した原典テキストを作成することを試みた。4本の写本とは次のものである。Asiatic Society S.C.2388、Asiatic Society S.C.970、India Office Library 2152、Bodleian Library Wilson No.325.前二者はカルカッタのアジアティックソサイエティー、彼の二つはそれぞれロンドンのインディアオフィスおよびオックスフォード大学所蔵の写本である。この成果は研究成果一覧表の二番目に掲げておいた。4つの写本を検討した結果、インドの出版本の不備が判明し、それらを正すことができた。不備の主なものは写本の不正確な読み、写本の読みの数シラブルに及ぶ脱落、誤植である。 上の成果に基づいて、「祭名章」の重要なトピックの一つである<隠喩(メタファ)論(第12論題)>の解明に現在取り組んでおり、その成果を平成19年前半に公表することを目指している。この論題はミーマーンサー学の内枠でのみ重要なだけでなく、修辞学、仏教など他学派とも関係し、インド思想史全般にわたり重要な論題である。それら諸学派を批判しつつクマーリラがミーマーンサー説を確立してゆく過程の論理を解明することが目的である。
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Research Products
(2 results)