2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520043
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
針貝 邦生 Saga University, 医学部, 准教授 (50124813)
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Keywords | ミーマーンサー / クマーリラ / タントラヴァールティカ / 祭名章 / サンスクリット写本 / 隠喩論 |
Research Abstract |
本研究はミーマーンサー学派の大哲学者クマーリラ・バッタの『タントラヴァールッティカ』(『ミーマーンサーの綱理評釈』)第1巻第4章の研究であり2年間で完結することを目指していた。この研究を完結して、ダルマに対する認識手段論を主題とする第1巻全体のタントラヴァールッティカの研究を完成するのが目的であった。 本書の出版本は今世紀初頭(1903年以降)に出版されたBenares Sanskrit Seriesを基本として、それに基づいてAnandsrama Sanskrit Series本(1929&1978)などその他の版の出版がなされてきた。しかしそれらは多くの欠陥があり今日の研究に耐えるものではなかった。そこで本研究は、これまで収集した5種類の写本に基づいて、従来の出版本の再検討を行い、原典の再構成を試みた上で祭名章全体の研究を遂行した。またそれに関運して本書の注釈類の発掘を遂行することも本研究の目的であった。 写本に基づくテキストは一応の完成をみて、Anual Report of Medical Anthropology and Humanity、No.1(2006)に出版した。これは国内および海外のインド学研究者に送付し、今後研究に稗益することになるであろう。 このテキストにもとづいて19年度は18年度に引き続き和訳研究を続行し、ソーメーシュワラ作「ニヤーヤスダー」、パリトーシャミシュラ作「アジター」、アンナムバッタ作「ラーナカ・ウッジーヴァニー」といった注釈類を参見して祭名章全体の和訳を完成させた。 さらにこの章で最もインド思想史上重要な論題であり、隠喩を論じている「タットシッディ論題」を纏めて「クマーリラの隠喩論」という独立の論文を完成させた。この論文は未発表である。
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Research Products
(5 results)