2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520046
|
Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
白館 戒雲 Otani University, 文学部, 教授 (10179062)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兵藤 一夫 大谷大学, 文学部, 教授 (30218747)
|
Keywords | ダルマキールティ / 『量評釈』 / 『解脱道作明』 / タルマリンチェン / 論理学・認識論 / 因明 / 『菩提道次第大論』 / 『道次第・解脱荘厳』 |
Research Abstract |
研究対象の中心であるダルマキールティ著『解脱道作明』とそれに対するタルマリンチェンの註『解脱道作明』の翻訳研究を続けた。具体的には、,『量評釈』と『解脱道作明』の第2章「量の成立」、第3章「現量」を翻訳するとともに、インドでのデーヴェンドラブッディとプラジュニャーカラグプタの両註釈やそれらへの幾つもの復註、チベットではゲルク派のケードゥプ・ジェ、タナクパ、パンチェン・ソナム・タクパの註釈を参照して、詳細な研究を行つた。 無我の智恵を体得し慈悲から教示した点から、ブッダこそが解脱を求める者にとっての権威(量)であることを論証した第2章「量の成立」については、すでに発表した部分に続く残りの部分(第131-285偈)の翻訳を完了し、上記の関連文献を参照して研究したことにより、一定の完成を見つつある。また第2章「量の成立」はチベットでは「菩提道の次第」としても理解されているので、その分野で最重要でチベット、モンゴルに圧倒的な影響を与えたツォンカパ著『菩提道次第大論』「大士の章」より冒頭の部分と、ガムポパ著『道次第・解脱荘厳』全体を翻訳研究し、公表した。 経量部と唯識派の認識論を説き、比量(推理)と関係して現量(直接知覚)の内容や役割を説く第3章「現量」についても、すでに発表した部分に続いで、同様の手法により翻訳研究を継続した。残りの部分(第36-541偈)についても翻訳は完成し、詳細な研究を継続中である。論文においては第36偈から122偈の部分の翻訳を詳細な研究とともに発表した。 さらに19年前に、中国、ネパール、インド、ブータンなどチベット仏教圏の学僧、研究者に近現代の研究を知らせる啓蒙書として仏教史(チベット文)を刊行したが、その後の新しい知見を交えて大幅に増補改訂し、刊行した。
|
Research Products
(5 results)