2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520046
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
白館 戒雲 Otani University, 文学部, 名誉教授 (10179062)
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Keywords | 論理学 / 認識論 / ダルマキールティ / タルマリンチェン / 『量評釈』 / ツォンカパ / 『菩提道次第大論』 / 『入菩提行論』 |
Research Abstract |
主要な研究対象であるダルマキールティ著『量評釈』とタルマリンチェン著『同論の釈論-解脱道作明』のうち、本年度は、第3章「現量」のうち、すでに発表した部分以降の第123偈から第190偈とそれに対する註釈(ラサ版238b-254b)を翻訳研究し、「タルマリンチェン著『量評釈の釈論・解脱道作明Thar lam gsal byed』第3章「現量」の和訳研究(3)」として発表した。この論文では、デーヴェンドラブッディ、プラジュニャーカラグプタなどインド撰述の註釈、タナクパ、パンチェン・ソナムタクパなどチベット撰述の註釈を研究することにより、『集量論』とそれを承けた『量評釈』の内容と、そこから派生したインド、チベットでの議論について、考察した。 『量評釈』第2章「量の成就」については、すでに終了した翻訳に対して、同様の手法を用いて詳しい訳註を加えた(これは2009年度に全体を公表する予定である)。また、第2章の内容はチベットでは「菩提道次第」であるともされるので、その代表的文献を翻訳研究して、「ツォンカバ著『菩提道次第大論』「大士の道次第」より菩薩行-六波羅蜜と四摂事-の和訳」、『ツォンカバ中観哲学の研究VIタルマリンチェン著『入菩薩行論の釈論・仏子渡岸』より第8章「禅定」と第9章「般若」の和訳研究』として、発表した。特に前者により、チベット仏教圏で最も重要な典籍である『菩提道次第大論』の全体が、日本語で読むことが可能になった。 またチベットでの伝統的な修学と現代的な研究方法の関係について、「仏道の修学と伝統の継承について-退職にあたって-」において論述した。
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Research Products
(4 results)