2007 Fiscal Year Annual Research Report
<いのち>の意味-宗教・教育・精神病理学の立場からの協働的再検討-
Project/Area Number |
18520055
|
Research Institution | Jin-ai University |
Principal Investigator |
薗田 坦 Jin-ai University, 人間学部, 教授 (40047072)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗 孝文 仁愛大学, 人間学部, 教授 (10067613)
三脇 康生 仁愛大学, 人間学部, 准教授 (40352877)
|
Keywords | いのち / 生命の尊厳 / メメント・モリ / 老人と子供 / 正常と異常 / Quality of life |
Research Abstract |
本研究の2年度目にあたる平成19年度においては、主として、分担者の三脇が課題として取り上げている「現代フランスにおける精神療法をめぐる諸問題」を中心に、<いのち>と「正常なこころ」の接点をめぐって、三人での討論の機会をもった。 とくに、平成19年8月1日には、京都大学・大学院人間環境学研究科准教授の多賀茂氏にわざわざ御来学いただき、「病院環境をめぐる哲学-機能評価から制度分析へ-」と題する講演をうかがうことができた。現代の精神疾患治療における、その理論的背景となる生-権力や疎外という概念についての理論的解明と、その精神療法における制度論的な側面としてのセクター制度や転移の問題について、きわめて興味深い、また示唆に富んだ教示を得ることができ、それをめぐっての活発な討議を行うことができた。なお、同講演には臨床心理学専攻の大学院生約10名の聴講者も加わった。 その他、代表者の薗田の課題である、宗教といのちの関連の問題、分担者の宗の課題である、<いのち>と死の問題としてのメメント・モリの思想についても、話題とされたが、より詳しい内容的検討は引き続き次年度の討議主題とすることになった。最終年度において、これらの異なるアプローチからの成果を総合し、協働的な観点から、「生きることの尊厳」や「<いのち>の質」ということに関して、最終的な結論といえるものを導き出すように試みたい。
|
Research Products
(8 results)