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2008 Fiscal Year Annual Research Report

イメージ分析に対する生命形態学の影響をめぐる思想史的研究

Research Project

Project/Area Number 18520062
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

田中 純  The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (10251331)

Keywords生命論 / 美術史 / イメージ / 自然史 / 博物誌 / 形態学 / 進化論 / 想像力
Research Abstract

本年度は、チャールズ・ダーウィンやエルンスト・ヘッケルの進化論思想の影響下において、形態学的思考が依拠したイメージ論のパラダイムや、そこで反復される言説のトポスを、同時代以降の造形芸術の動向(アール・ヌーヴォーなど)やイメージをめぐる文化科学的研究、とりわけアロイス・リーグルの美術史学との関係のなかで解明した。その過程で、ヨハン・ヨアヒム・ヴィンケルマンにおいてすでに、美術史と自然史=博物誌とが「様式」の概念を通じて接触しており、生物の「種」が「様式」に対応させられていたこと、それゆえ、ダーウィンの『種の起源』が「様式」の生成変化をめぐるモデルになりうるコンテクストがそこに存在していたことが見いだされた。さらに博物誌的な「様式」が人間の認知性向に依拠する「分類思考」に基づいていたのに対し、ジョージ・キューブラーの『時のかたち』は進化論の「系統樹思考」を美術史に導入している、といった対比が確認された。美術史と自然史の照応をめぐるこうした歴史的経緯を背景として、昆虫の擬態や眼状紋と人間の神話を対応させて分析するロジェ・カイヨワの「対角線の科学」が孕んでいた可能性を吟味し、20世紀冒頭におけるグスタフ・クリムトやパブロ・ピカソによる絵画作品のイメージに読み取れる想像力の運動を、実際にその視点から解明した。そして、こうした分析の延長線上で、現代の生命論的な言説が駆使するアナロジーに着目し、自然科学の実証的言説のレベルと比喩的表現や具象的イメージ化のレベルとをつなぐ想像力の論理を考察し、芸術作品や建築物、都市、あるいはイメージ現象一般における同種の論理との比較を行なった。

  • Research Products

    (4 results)

All 2008

All Journal Article (3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 多孔性の科学-生命の楼閣、都市の生命2008

    • Author(s)
      田中純
    • Journal Title

      UP 425号

      Pages: 63-67

  • [Journal Article] 都市表象分析とは何か(二)-自註の試み2008

    • Author(s)
      田中純
    • Journal Title

      10+1 50号

      Pages: 2-10

  • [Journal Article] Art History と Natural History-種・様式・シークエンス2008

    • Author(s)
      田中純
    • Journal Title

      現代思想 2009年4月臨時増刊号

      Pages: 222-234

  • [Book] 政治の美学-権力と表象2008

    • Author(s)
      田中純
    • Total Pages
      620
    • Publisher
      東京大学出版会

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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