2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520063
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋爪 大三郎 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 教授 (10218399)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 典洋 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (00185860)
|
Keywords | プレ近代 / 尊皇攘夷 / 本居宣長 / 系譜学 |
Research Abstract |
本年度は、本研究に必要な基礎的文献の収集、複写および整理をまず行なった。特に、これまで漏れていた中国関係の文献や、日本思想に関して英語で書かれた文献にも注意を払った。 つぎに、日本プレ近代思想の特質を明らかにするため、研究支援者の最近の業績をふまえた学際的なワークショップを実施した。すなわち、伊東祐吏の論文「戦後知識人と「当事者意識」の欠如について」は、戦後知識人の当事者意識の欠如を問題とし、明治近代知識人ならびに江戸期プレ近代知識人の特質を浮かび上がらせている。また、野口良平の論文「『大菩薩峠』と虚無の思想」は、中里介山の小説『大菩薩峠』を読解するなかから、明治民権運動の挫折とその時代背景を読み解き、プレ近代思想の構造を逆照射している。これら両名を含む研究チームのワークショップを通じて、日本プレ近代思想を再構成する作業枠組みが準備された。 さらに、研究代表者ならびに研究協力者、支援者は分担して、荻生徂来、本居宣長、浅見絅斎ら、幕末期に先行する文書の系譜学的な整理と解析を進めた。この作業の成果は、来年度に報告書にまとめられるはずである。
|
Research Products
(3 results)