2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520070
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉原 浩人 Waseda University, 文学学術院, 教授 (80230796)
|
Keywords | 大江匡房 / 宗教思想 / 日本漢文学 / 日本思想 / 中国古典籍 / 国際研究者交流 / 註釈 |
Research Abstract |
大江匡房(1041〜1111)は、後三条朝から白河院政期にかけて活躍した儒者・政治家であり、思想・宗教・文学・有職等の各方面に亙って、多彩な活動を繰り広げた。大江匡房は膨大な量の著作を遺しているが、いまだその全集は刊行されておらず、その刊行のための準備作業を数名で始めたところである。 本研究は、多数の大江匡房著作のうち、特に思想方面の研究の基礎となるテキスト校訂と註釈を、いくつかの論著について作成し、その成果をもとに、大江匡房の宗教思想や文学的営為を闡明することを、主な目的としている。 今年度は、その基礎作業として、主要著作のうちから、『江都督納言願文集』国立歴史民俗博物館本・身延文庫本・六地蔵寺本の本文を、コンピュータに入力しテキストデータ化した。その成果に基づき『江都督納言願文集』の校本を作成し、近く公刊する予定である。 さらに前年度に続いて、大江匡房『江都督納言願文集』『本朝続文粋』『朝野群載』『本朝文集』などに所載される一部の作品について、本文校訂・読み下し・現代語訳・構造分析・註釈・解説・文献一覧からなる詳細な註釈を、若手研究者や大学院生とともに作成し、これらに見られる、当時の思想・宗教・文学・歴史・美術への関連を、総合的に検討した。 また、註釈研究に必要な図書・辞書類等を購入し、参考文献を複写した。さらには、大江匡房関連資料の調査、あるいは遺跡の実地踏査のため、関西方面に出張した。その結果、本研究の中間的な報告として、別掲3篇の論文を執筆し公表することができた。
|