2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520075
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 幸人 北海道大学, 大学院文学研究科, 助教授 (30374169)
|
Keywords | 美術史 / 神道 / 神仏習合 / 社寺縁起 / 天神信仰 / 菅原道真 / 在地縁起 / 絵巻 |
Research Abstract |
平成18年度は、本研究課題に関して、これまでに収集した調査資料・データの整理作業、ならびに未見資料の調査に基づくデータ収集、および口頭での研究成果発表を行なうことができた。 1.本研究課題の中心的作業のひとつである「天神画像」、「天神縁起絵」等の画像比較分析への準備のため、パーソナルコンピュータ、スキャナ等、データ分析整理用の設備機材を購入、充実させ、従来収集しておいたカラースライド、紙焼写真等によるデータを、デジタルデータに変換する作業を行ない、いまだすべての収集データを処理できておらず、来年度以降も作業が必要である。 2.未見資料であった3種類の大阪天満宮所蔵(大阪歴史博物館寄託)天神縁起絵巻を実見調査し、全巻の画像データを収集した。とくに一本は、詞書と絵とは本来別物であり、もとは詞書のみ伝来したものに後に絵を差し加えていったことが認められ、その絵も著名な土佐光信本の系統ながら独自の様式も示すなど興味深い作例であることが認められた。 3.これまで存在が知られていなかった詞書の系統(丁類系統の詞書)をもつ天神縁起絵巻の存在を紹介し、その特色や位置づけ、および今後の天神縁起絵研究への展望等について、これまでの調査研究をもふまえつつ、美術史学会全国大会において、口頭発表による研究成果発表を行なった。(発表題目「所謂「丁類(安楽寺本系)」の詞書をもつ天神縁起絵巻について」第59回美術史学会全国大会・研究発表 於名古屋大学、なお、現在当該学会誌への投稿のための原稿を作成中である。) 平成19年度は、データ処理作業を続け、近世絵本類における「菅公イメージ」の収集と分析を行なう。
|
Research Products
(2 results)