2007 Fiscal Year Annual Research Report
ピアノ練習曲の思想と一九世紀における器楽学習の変容
Project/Area Number |
18520084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 暁生 Kyoto University, 人文科学研究所, 准教授 (70243136)
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Keywords | ピアノ / 西洋音楽 / 技術 / 一九世紀 / 身体 / 教本 / 音楽教育 / ヴィルトゥオーソ |
Research Abstract |
第一に、国内に所蔵されている十九世紀の主要な音楽雑誌の調査(特にAllgemeine Musikalische ZeitungおよびNeue Zeitschrift fuer Musik)を行った。この雑誌記事の調査においては特に、これらの雑誌に掲載されている膨大な数のRezension(演奏会評、新刊の教本や練習曲の紹介)において、「演奏技術」の問題がいかに論じられているかを分析した。また第二に、十九世紀においては膨大な数のピアノ教本や練習曲が出版されたが、それらの大半はいうまでもなく現在は絶版になっており、よって海外での資料調査を行った。こうしたピアノ教本や練習曲の大半は、音楽出版が盛んだったロンドン、パリ、ベルリン、ライプチッヒ、ウィーンで出版されていたが、本年度はミュンヘン国立図書館での調査を主として行った。また第三に、この海外調査においては、十九世紀の音楽雑誌の調査もあわせて行った。それに際しては、とりわけ音楽院および楽譜会社の広告において貴重な発見が見られた。また一九世紀においては、ピアノ学習のための指のトレーニング機器のようなものが色々作られていたが、それらの現物をバーゼルならびにベルリンの楽器博物館で調査した。
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