2007 Fiscal Year Annual Research Report
大正期の民間楽団に関する資料研究-楽員とレパートリーを中心に
Project/Area Number |
18520098
|
Research Institution | Tokyo College of Music |
Principal Investigator |
武石 みどり Tokyo College of Music, 音楽学部, 准教授 (70192630)
|
Keywords | 美学 / 洋楽受容 / 民間楽団 / 大正期 |
Research Abstract |
今年度は以下のように研究を実施し、成果を得た。 (1)基礎資料の収集 東洋音楽学校の関係者を中心に演奏活動に関わる新聞・雑誌記事を収集し、東洋音楽学校と初期卒業生の活動、およびその演奏記録についての記述を『音楽教育の礎鈴木米次郎と東洋音楽学校』に掲載した。明治〜大正期の公文書等、手書き資料については、古文書判読専門家の手を借りて判読した。また、これまで蒐集した資料の分類・整理を補助員を用いて行なった。 (2)演奏記録のデータベース化と分析 ハタノ・オーケストラのレパートリー・ノートを入手し、その内容のデータベース化に着手した。すでにデータベース化した船の楽団のレパートリーと合わせて、略記されている各楽曲の作曲家・作品名を特定し、来年度までにレパートリーの内容的特徴の把握を完了する予定である。 (3)楽譜の復元と演奏 北太平洋航路の船の楽団で用いた楽譜は不完全な形でしか伝承していないが、現存する複数の曲の楽譜資料を相互に参考にすることにより、五重奏の楽譜の編曲・復元作業を試みた。2007年5月にこの楽譜を用いて復元演奏を行った。併せて、活動写真館「金春館」におけるハタノ・オーケストラの定番曲「金春マーチ」を当時のパート譜を基に原編成で復元演奏した。この復元演奏により、当時の小オーケストラの編成が独自のものであること、またクラシックというよりも軽音楽・バンド的な響きの楽曲であることが明らかになった (4)研究会の組織 明治・大正期のオーケストラに関する研究者どうしのネットワーク構築については、今年度は積極的な展開ができなかった。映画・ジャズ研究者をも含めて来年度の課題とする。
|
Research Products
(1 results)