2008 Fiscal Year Annual Research Report
イコノロジーの再生-イメージ解釈の包括的な基礎理論をめざして-
Project/Area Number |
18520110
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
加藤 哲弘 Kwansei Gakuin University, 文学部, 教授 (60152724)
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Keywords | イコノロジー / 画像解釈 / イメージ / ヴァールブルク / パノフスキー / 美学 |
Research Abstract |
最終年度となる本年度の中心的な課題とされていたのは、申請書の「研究目的」の項で言及した、画像解釈の「チェックリスト」ないしは「ガイドライン」を含む研究報告書の作成作業であった。申請時には、この報告書を冊子体で印刷する予定であったが、経費や利便性を考慮して、WEBページ上での公開という方法を採ることにした。計上されていた印刷費は、原稿の翻訳費や校閲費に充てられることになった。 報告書には、中心となる「画像解釈の基礎理論」の他に、広い意味での「イメージ」解釈をめぐって、この3年間に考察を進めてきた論考も(既発表の場合は要旨と書誌情報を)併せて掲載する。たとえば、中世のタピスリーにおける「森のイコノロジー」、リーグルが明らかにした文様装飾の形態とその象徴的意味作用、さらには19世紀末から20世紀初頭にかけてのドイツ語圏における美学や芸術学の展開の中で論じられた「醜」の問題を扱うものなどがそうである。これらは、ヴァールブルクやパノフスキーらによるイコノロジーの生成期において、その背景となっていた状況に迫ろうとするものであり、「イコノロジーの再生」を考える上で貴重な示唆を与えるものであることが今回の研究で明らかになった。 またWEB上での成果公開に先立って、2008年8月から9月、および2009年3月にかけて、イタリア、イギリス、ドイツなどに、関連プロジェクトとの連携の中で出張して、専門家たちとの意見交換や資料収集を行うとともに、成果の一部を国際シンポジウムやワークショップなどで発表した。その際の原稿も、可能な限り、報告書に収録した。
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