2007 Fiscal Year Annual Research Report
関西陶磁技術の成立をめぐる膳所焼を中心とした美術工芸史・考古学の総合研究
Project/Area Number |
18520111
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Research Institution | Osaka City Cultural Properties Association |
Principal Investigator |
佐藤 隆 Osaka City Cultural Properties Association, 文化財研究部, 係長 (50344362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 佳子 大手前大学, 総合文化学部, 准教授 (50278769)
伊藤 嘉章 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 企画課長 (80213099)
尾野 善裕 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸課, 主任研究員 (40280531)
西田 宏子 慶應義塾大学, 文学部, 非常勤講師 (00445454)
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Keywords | 考古学 / 美術工芸史 / 膳所焼 / 京焼 / 連房式登窯 |
Research Abstract |
現地調査への準備 平成19年10月に、佐藤隆(研究代表者)・畑中英二(研究協力者)が地権者・地元にあらためて了解を得るとともに、滋賀県・大津市教育委員会に対して現地調査実施に関する届出などの事前手続を行なった。また、調査開始に先立って、上記2名と岡佳子・尾野善裕・西田宏子(すべて研究分担者)を含めて研究会を実施し、昨年度の測量調査(第1次調査)の成果報告と併せて発掘調査の方法や役割分担についての検討を行なった。 現地調査 平成19年11月10日から20日まで、佐藤・尾野・岡・畑中を中心に発掘調査(第2次調査)を実施した。調査区は窯体か露出していた部分を中心に3箇所、および昨年度の測量調査の際に陶片・窯道具が分布することを確認した周辺部分に3箇所の計6箇所(約25m^2)設けた。調査の結果、全長約8mで6室の焼成室をもつ17世紀の連房式登窯が良好な状態で遺存していることが明らかになり、陶片・窯道具などの出土資料を得た。また作業と並行して、この成果を広く公開するために、11月15日には報道機関に現地を公開し、17日には一般向けの現地説明会を行なった。近隣の住民のほか、全国の陶磁器研究者など93名の参加を得た。 現地調査の終了後、佐藤・尾野・畑中を中心に図面・データの整理や出土遺物の基本的整理を行なった。平成20年1月には研究会を実施して、伊藤嘉章(研究分担者)を含めた研究者全員で現地調査の総括および出土遺物の検討を行ない、併せて今後の活動方針、特に報告書作成に向けての準備について協議を行なった。 資料調査 現地調査の準備と並行して、佐藤か泉屋博古館東京分館・根津美術館所蔵陶磁器資料の調査を行なった。特に膳所焼茶入「大江」については根津美術館学芸部長でもある西田とともに観察し、膳所焼の胎土について検討した。
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