2008 Fiscal Year Annual Research Report
関西陶磁技術の成立をめぐる膳所焼を中心とした美術工芸史・考古学の総合研究
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18520111
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Research Institution | Osaka City Cultural Properties Association |
Principal Investigator |
佐藤 隆 Osaka City Cultural Properties Association, 財団法人大阪市文化財協会・文化財研究部, 係長 (50344362)
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Keywords | 考古学 / 美術工芸史 / 膳所焼 / 京焼 / 連房式登窯 |
Research Abstract |
1.整理作業 平成20年5月以降、連携研究者・研究協力者と共に調査図面をもとにした製図や、写真画像データの選別、出土遺物の破片数集計・実測といった作業を行った。こうした作業をもとに、大江窯跡が茶陶を主体的に生産した窯であることや、操業年代が元和〜延宝年間(1615〜1681)ごろにおさまり、特に前半期に主体があることがわかった。 2.資料調査 平成20年11月から12月にかけて、佐賀県立九州陶磁文化館「土の美古唐津-肥前陶器のすべて-」での展示資料の熟覧、大津市歴史博物館所蔵の膳所焼茶入の熟覧、美濃陶磁歴史館に併設された元屋敷窯跡保存施設での窯細部の観察、愛媛県歴史文化博物館での砥部焼陶片・窯道具の熟覧などの資料調査を、必要に応じて連携研究者・研究協力者と共に行った。また、連携研究者により、膳所焼あるいは大江窯に関する古文書の調査も並行して行った。元屋敷窯跡の観察では、大江窯の窯構造が肥前から瀬戸美濃へ連房式登窯の技術が伝わってからほどない時期の特徴を有することがわかり、窯道具の組成や、上記の年代観とも整合していることが確認できた。 3.成果報告と成果報告書の作成 平成20年5月には、現地調査の概要成果を公表するため連携研究者・研究協力者と共に日本考古学協会においてポスターセッション形式による発表を行った。 また、平成20年12月には研究会・打合せを行い、上記の成果などを共有化しながら近世前期の関西窯場において大江窯をどのように位置づけることができるかといった問題を中心に成果報告書の内容や体裁について検討した。その後、連携研究者・研究協力者を含めて執筆・編集を行い、平成21年3月に成果報告書を刊行した。
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Research Products
(3 results)