2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520131
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
瀬間 正之 Sophia University, 文学部, 教授 (00187866)
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Keywords | 古事記 / 日本書紀 / 百済木簡 / 毛詩序 / 古事記序文 / 進五経正義表 / 慶州瑞鳳塚銀合杆銘 / 記紀歌謡 |
Research Abstract |
『古事記』『日本書紀』の文字表現成立の経緯を明らかにするための基礎的作業として、平成20年度は、以下の2つの準備的研究と1つの考察を行い、発表した。 1.『日本書紀』本文データベースを作成 原文をappファイルに加工した。appファイルの体裁は、[書名,巻数,頁段行,前の行から受けた漢字数,行データ,後の行に送る漢字数]であり、今日漢字文献検索用ファイルの標準的形式になっている。-昨年度巻-・巻二の加工を完了したが、今年度は巻三を作成した。 2.古代朝鮮半島文字資料の収集と整理 今年度は金石文・木簡の収集と釈読にあたった。扶余出土の新出本簡(百済木簡)について、扶余国立博物館の学芸員の解説を受け、釈文を作成した。金石文に関しては、吏読の見られる慶州瑞鳳塚銀合杆銘について、韓国め専門家と討議した上で、釈文を作成した。 3.古事記の成立について序文を再確認し、序文が何故「進五経正義表」に依拠したのかという問題について、「進五経正義表」が依拠した「毛詩序」に見られる周南召南が正始之道であり、王化之基であるという言説が、古事記の歌謡重視の考え方に直結するものであったという理由を見出した。古事記序文は「進五経正義表」の背後にある「毛詩序」の書説を利用したのであり、このことが古事記という書物の成立に深く関与するということを発表した。
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