2007 Fiscal Year Annual Research Report
総合雑誌における占領期検閲と文学との相互関連性の研究
Project/Area Number |
18520140
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
十重田 裕一 Waseda University, 文学学術院, 教授 (40237053)
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Keywords | 日本近代文学 / 占領期日本 / 雑誌 / 検閲 / 第二次世界大戦後 |
Research Abstract |
総合雑誌における占領期検閲と文学との相互関連性を目的とする本研究では、今年度は、主に以下の2点の作業に取り組んだ。1点目は、GHQ/SCAPの検閲の具体的事例を収集する作業である。研究協力者の協力を仰ぎながら作業を行い、当該年度予定していた範囲の調査を終えることができた。2点目は、アメリカ合衆国メリーランド大学での調査である。この調査により、マイクロフィルムで判別不可能な文字の解読作業が進むと同時に、新資料の収集を行うことができた。2つの作業はともに順調に進んだが、特に、メリーランド大学の調査での収穫が、今後の研究において重要なものとなるだろう。なお、上記の作業に取り組むと同時に、学会発表、論文執筆に取り組んだ。本研究に密接に関連する学会発表、公刊された論文に、「Media、 Image、 and Text Apart--Perspectives of Editing and Censorship as Clues」(2007年6月23日、Asia Studies Conference、明治学院大学)、「文芸雑誌「人間」にみる事前検閲と事後検閲の光と影」(単著、p.4-p.11、2007年4月、Intelligence8号、20世紀メディア研究所)がある。また、当該研究期間中に一部関連する学会発表に「横光利-自筆原稿の陰翳-「上海」を中心にして」(2008年3月29日、横光利-学会第7回大会、東洋大学)が、論文に「モダニスト松本清張」(共著、p.38-p.63、2007年6月、松本清張研究8号、北九州市立松本清張記念館)、「肉筆と活字のあいだに映し出される文学の実験」(単著、p.109-p.124、2007年10月、『「改造」直筆原稿の研究』、雄松堂)がある。なお、他にも研究成果を発表する準備を進めている。
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