2007 Fiscal Year Annual Research Report
1910-1930 <日韓・韓日>文学交流の歴史-<移入>という視座から-
Project/Area Number |
18520154
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
奥田 浩司 Ishikawa National College of Technology, 一般教育科, 教授 (90185538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
團野 光晴 石川工業高等専門学校, 一般教育科, 準教授 (60280377)
寺田 達也 金沢学院大学, 文学部, 準教授 (80329440)
梶谷 崇 北海道工業大学, 総合教育研究部・講師, 講師 (10405657)
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Keywords | 日韓 / 植民地 / 朝鮮統治 / 朝鮮基督青年会 / 文化統治 |
Research Abstract |
平成19年6月9日に研究協力者である柳利須氏が、有島武郎研究会第41回大会において「韓国近代文学における有島武郎の『宣言』-新女性の自我覚醒を中心に-」と題して発表をした。金東仁、廉想渉など文化統治期の朝鮮語雑誌において活躍していた作家の作品と、有島武郎の『宣言』との関係について詳しく報告した。平成20年3月に、研究代表者である奥田が、延世大学図書館において機関誌『現代』の調査をおこなった。前年に引き続いての調査であったが、今回は、記事の内容にまで踏み込んでの調査であった。新たな発見として、記事の中で「民本主義」という言葉が使われていたことがあげられる。今後、この点について調査をする必要がある。3月に、韓国外国語大学において会議を開いた。まず、今後の研究の方向性について議論をし、『廃墟』を中心に研究を進めることが同意された。次に、今後の研究を進める上で参考となる研究書を取り上げ、議論を深めた。奥田浩司から、米谷匡史『アジア/日本』についての報告があった。全体の議論で、日本からの「アジア」ではなく、韓国からの「アジア」という点に視点を置く必要が確認された。最後に、團野光晴から朴祐河『和解のために』についての詳細な報告があった。内容は、日韓新時代を論じた同書の内容紹介と批評、文化交流原理に関するものである。全体の議論で、日韓・韓日の「和解」の難しさが確認されると同時に、「和解」することから派生する問題点のあることが確認された。
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