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2007 Fiscal Year Annual Research Report

イギリス・ルネサンス劇におけるガーデン・シーンの研究

Research Project

Project/Area Number 18520162
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

市川 真理子  Tohoku University, 大学院・国際文化研究科, 教授 (80142785)

Keywords演劇空間 / 劇テクスト / ステイジング / 場(locale) / ガーデン
Research Abstract

本研究は、イギリス・ルネサンス時代の演劇において「場」(locale)は舞台上でいかなる形の表現を与えられ、最終的に各シーンないしは劇全体の中でいかなる意味を持ったのか、という問題を、特にガーデン・シーン(garden scenes)に焦点を絞って考察するものである。
現存する劇テクストを分析することにより、ガーデン・シーンの収集を行った結果、これらのシーンで起こる出来事は次の5種類に分類できることが明らかとなった。恋愛、密談、瞑想、立ち聞き、浸入。シェイクスピアや同時代の劇作家たちが中世以来の伝統的なガーデン・イメージを持っていたことがわかる。
ステイジングの観点から綿密に各シーンを分析した結果、以下の結論を得た。
1.せりふで言及されるだけで、庭園という場の設定は確立した。
2.庭園という場の設定は、時としてロマンティック、時として不吉な雰囲気をより高める効果あった。
3.せりふによらない、非言語的な場に関する伝達方法もいくつかあった。例えば、登場する俳優の衣装や、歩き方などである。
4.舞台構造は、ガーデン・シーンの上演に極めて適していた。舞台のドア(stage door)、バルコニー(stage balcony)、中央開口部(curtained space)、柱(stage pillars)は、庭園の木戸、庭園を見下ろす窓、東屋、木として使うことができた。
従来、ガーデン・シーンでは舞台上に木(property trees)が運び込まれたという説がある。そうしたリアリスティックな説に対する具体的な反証を挙げ、イギリス・ルネサンス時代の舞台の使い方を示すことができたのは、演劇研究の分野におけるひとつの貢献である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2008 2007

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] "Enter Brutus in his Orchard": Garden Scenes in Early Modern English Plays2008

    • Author(s)
      Mariko Ichikawa
    • Journal Title

      The Shakespearean International Yearbook 8(採録決定)

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] The Staging of The Comedy of Errors, Act 3, Scene 12007

    • Author(s)
      Mariko Ichikawa
    • Journal Title

      国際文化研究科論集 15

      Pages: 81-97

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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