2008 Fiscal Year Annual Research Report
英語圏における「問答形式」の歴史的展開、および日本における英語教育への影響の研究
Project/Area Number |
18520174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 公彦 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (30242077)
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Keywords | 英文学 / 小説 / 西洋史 / 問答形式 / 英語教育 / フェミニズム / 手紙 / アメリカ文学 |
Research Abstract |
20年度も引き続き礼節書や作法書などに注目するというアプローチを継続したが、新しい〜試みとしてアメリカの料理入門書の研究にも着手した。このような研究の持つ意味としては、作法書などのマニュアル本がイギリスからアメリカへと移入される過程で、どのような変化が生じたかを検分するひとつの具体的な視点を提供するということがひとつ。加えて、19世紀から20世紀へと作法書がよりいっそう大衆文化の中に深く食い込んでいく中で、とくに料理本というジャンルが、強固な土台を築いていったその経過をも、こうした視点をとることで記述できると考えたわけである。 具体的な作家としては、そのパートナーであったアリス・トクラスが実際に料理本を出版したりもした小説家・詩人のガートルード・スタイン、「食」というものに貧しさの観点からフォーカスをあてるとともに、自身も胃潰瘍に苦しんだ経験を持ったバーナード・マラマッドらに注目した。 具体的な作業としては、ニューヨークのコロンビア大学で三ヶ月ほど研究活動を行い、文献収集にあたるとともに、当地のニューヨーク市立図書館およびその分館にて映像も含めた資料を調査したことなどがあげられる。ニューオリンズの農園における実地調査でも、支配者層・被支配者層双方の「食」の形態について調査をすることができたとともに、文献の収集も行った。その成果の一部は、「英語青年」誌上にて現在連載中の「文章読本」でも扱っている。
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Research Products
(5 results)