2007 Fiscal Year Annual Research Report
サヴォイ・オペラにおけるイギリス帝国主義の生成の研究
Project/Area Number |
18520182
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
金山 亮太 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 准教授 (70224590)
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Keywords | 英米文学 / サヴォイ・オペラ / 帝国主義 |
Research Abstract |
平成19年度は、昨年度より予定していたサヴォイ・オペラに関わる二つのシンポジウムならびに研究発表を行った。9月30日に中央大学駿河台記念館で開催された日本ギャスケル協会19回大会においてシンポジウム「ギャスケルと演劇的要素」の司会者兼発表者となり、ヴィクトリア朝期の演劇の特徴であるメロドラマ的伝統をギャスケルがどのように適用あるいは逸脱したかについて論じたが、そこでの発表および総括ではサヴォイ・オペラ研究で得られた知見を生かすことができた。この発表原稿に基づいた論文は、2010年に刊行予定の『ギャスケルを通して見たヴィクトリア朝前期の社会と文化』に掲載される。 また、11月17日に日本大学文理学部で開催された日本ヴィクトリア朝文化研究学会第7回大会では「リテラシーとしてのサヴォイ・オペラ」と題した研究発表を行い、本研究の中心的テーマである帝国主義意識の形成とサヴォイ・オペラの英語圏での根強い人気との関連について論じた。この発表原稿に基づいた論文は、2008年5月に刊行される『新潟大学人文科学研究』第122輯に「サヴォイ・オペラをアメリカで観る」という表題で発表され、またさらに本稿に加筆を施した原稿は、2008年11月に刊行予定の『新・イギリス文化史入門』に掲載される。 その他、夏にはイギリスを訪れ、サヴォイ・オペラの地方都市における受容や上演形態について知見を加えることができたものの、総じて表面的なものとなったことが惜しまれる。『サヴォイ・オペラ』の脚本の残りを読み込む作業も続けたが、上記の学会発表などもあり、全てを終えることはできなかった。来年度に完成を期したい。 上記の研究発表で、他の研究者から様々な指摘を得られたことが最大の収穫である。
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Research Products
(2 results)