2007 Fiscal Year Annual Research Report
1890年-1930年のドイツ語圏の文化・芸術の解体と融合
Project/Area Number |
18520187
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西川 智之 Nagoya University, 大学院・国際言語文化研究科, 准教授 (20218134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 たぎる 名古屋大学, 大学院・国際言語文化研究科, 教授 (00165333)
山口 庸子 名古屋大学, 大学院・国際言語文化研究科, 准教授 (00273201)
古田 香織 名古屋大学, 大学院・国際言語文化研究科, 准教授 (20242795)
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Keywords | シェーンベルク / ラスカー=シューラー / クリムト / ユーゲント / ウィーン分離派 / べートーヴェン・フリーズ / 現代音楽 / クリンガー |
Research Abstract |
本研究は「1890年-1930年のドイツ語圏の文化・芸術の解体と融合」というタイトルで、美術・音楽・舞踊・文学・モードなどの幅広い観点から、世紀末から20世紀初頭にかけてのドイツ語圏の文化・芸術の変革運動を考察してきた。今年度は、資料収集の面では、山口がドイツに赴き、舞踊関係を中心に文献や資料の収集を行った。また、7月には立教大学の前田英樹氏に「20世紀の到来と様式の解体」というタイトルで講演をしていただき、世紀末フランスの芸術運動などを中心に知見を深めることができた。 一方で各自研究テーマの絞込みを行い、藤井はシェーンベルクの調性システムを、西川はウィーン分離派、特にその第14回展覧会を、山口はエルゼ・ラスカー=シューラーを、そして古田は雑誌『ユーゲント』を取り上げ、分析してきた。その研究成果は「研究成果報告書」などの形でまとめたが、そこでは19世紀末から20世紀初頭の芸術運動が、単にそれまでの規範を打ち壊してしまったのではなく、実は芸術のアウラ再生の試みであったり、あるいはその後の新たな芸術を生み出していくマトリックスとして機能したことなどを指摘した。研究スタート時の計画書で挙げた各自の目的は-応達することができたと考えているが、この研究を契機として新たな問題意識(例えば、古田の「ユーゲント」誌の芸術性という観点からのアプローチ)も生じ、また今回の研究では扱いきれなかったテーマ(例えば、西川の「総合芸術」というテーマ)も残った。そうした点については今後も各自取り組んでいくつもりである。
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Research Products
(11 results)