2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
赤岩 隆 三重大学, 人文学部, 助教授 (60184066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栂 正行 中京大学, 教養部, 教授 (10163958)
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Keywords | 自伝 / ポストコロニアル / アジア / インド系 / アフリカ文学 / 小説批評 / ナイポール |
Research Abstract |
赤岩、栂ともに、当初分けられた役割分担に従い、それぞれの関係資料の収集及び分析、並びに、赤岩は自伝研究のための基礎調査、栂は全体的な問題点の整理を行った。11月には、中京大学において、第12回英語圏ポストコロニアル文学研究会を主催し、「アジアにおける英語小説」という題目で講演及び研究発表の場を持ち、インドを含むアジアにおける英語小説の実態等について専門的知識の供与を受け、同時に、同題目について新たな問題的を行った。夏休み中を除き、赤岩と栂は、計画通り週に1回のペースで会合を持ち、情報を交換し、それぞれの研究の進捗状況について確認し合つた。以上が、共同作業の分野での研究実績の概要である。 個々の研究実績については、別欄の論文一覧にあるとおりだが、赤岩は、従来より続けているアフリカ文学とoral literatureの研究及び短篇小説の研究を発展させることにより、インド系の英語作家を多数含むアフリカ文学という具体的な場において、自伝がどのような役割を持っているかについて考えるとともにそれを論文の形でまとめ、一方、短篇小説という小説のサブ・ジャンルの本質的機能に関する考察を進めることで、ジャンルとして、小説の発生と自伝のそれとがどのような関わりを持っているかについて考察し文章にした。また、赤岩は、第58回日本英文学会中部支部大会において、「これからの小説批評--批評のリアリティを問う」というタイトルでシンポジウムを企画し、自伝を含む小説批評のこれからの有り様について、問題を提起し議論の場を持った。栂は、ナイポールを中心にして、広くインド系英語作家について研究を進め、ナイポールに関する論文を2本を書き、より大きな視点に立ちながら、さまざまなインドの現代小説と自伝との関係について整理し文章にまとめた。栂は、V.S.ナイポール及びシヴァ・ナイポールについて、ほかに4本の論文をすでに完成しており、それぞれ掲載誌に提出予定でいる。
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Research Products
(5 results)