2006 Fiscal Year Annual Research Report
エマスンにみる、詩とアメリカ思想の親近性についての研究
Project/Area Number |
18520193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小田 敦子 三重大学, 人文学部, 教授 (80194554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 明 三重大学, 人文学部, 助教授 (40218326)
武田 雅子 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (30024475)
藤田 佳子 東大阪大学, 短期大学部, 教授 (60079085)
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Keywords | エマスン / アメリカ詩 / ロマン主義 / シンボリズム / ディキンスン / ホイットマン / ソロー / メルヴィル |
Research Abstract |
本年度は、毎月、また大学の休業期間には集中的に、大阪樟蔭女子大学で研究会をもち、エマスンのPoemsに収められた詩を中心に、詩の日本語訳や、エッセイとの関連における、また、エマスンの詩法における、テーマを明らかにする作業を行った。海外協同研修者であるボストン大学のアニタ・パターソンも研究会前或いは後にEメールによる連絡で、議論に参加し、また、質問の回答に応じた。 研究代表者の小田敦子は7月にオックスフォード大学で開かれた、アメリカのエマスン・ホーソーン・ポーの三学会合同学会で、'Re-reading[reading]"My Kinsman, Major Molineux"in Emerson's Contexts'の題で発表し、高[好]評を得た。同時に、ホーソーン研究におけるエマスンの再評価、エマスンの最新の研究動向についても情報を得ることができた。パターソンはアメリカのエマスン学会との研究上のつながりを深め、本研究をよりエマスン研究の本流に近づけるために、本研究グループの協力者の拡大を計った。「図った?」その実現のため、11月に、小田と藤田佳子がハーバード大学に研究協力者のロレンス・ビュエル教授を訪ね、研究打合せを行った。また、エマスンの原稿の管理者であるロナルド・ボスコ教授からエマスンについての専門的知識を得るとともに、エマスン協会長であるサラ・ワイダー教授を含めたエマスンの詩と思想とに関する議論を深めていくことを確認した。その際、エマスン詩集の編集方法や、注釈のつけ方などについても有益な助言を得た。 エマスンの詩法への理解において、武田雅子はディキンスンやイギリス・ロマン派詩人への言及によって、野田明はメルヴィルの用語法との連想において、藤田と小田はエマスンのエッセイへの言及によって、というように重層的な視点から、エマスンの個々の詩の位置づけを試みた。これはエマスンの思考をよく表すような訳詩集の出版を念頭に置いた作業で、それによりエマスンの思想がさらに専門的に論じられる土壌を作るという計画の基礎となるものである。
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Research Products
(5 results)