Research Abstract |
本年度も、、毎月、大阪樟蔭女子大学で研究会をもち、エマスンのPoems 及びSelected Poemsに収められた詩を中心に,詩の日本語訳や,エッセイとの関連における,また,エマスンの詩法における,テーマを明らかにする作業を行った。海外協同研究者であるボストン大学のアニタ・パターソンも研究会前或いは後にEメールによる連絡で,議論に参加し,また,質問め回答に応じた。研究協力者であるビュエル,ワイダー,ボスコ各教授からもEメールで研究の進め方について助言を得た。 ギリシア・ローヤ古典やペルシアの詩などを好んだエマスンには「翻訳」にっいても独自の考え方があることから,武由が本年度に発表した"Art Science,ahd Ste.Emilie's Sunsefs:A Haj-Inspired Cognitive Approach to Translating an Emily Dickinson Poem into Japanese" (M.H.Freemanと共著Style,40-1&2)におけるディキンスンの翻訳に比べて,エマスンを翻訳する際の問題点を検討した。武田はまた,8月に京都で開催された国際ディキンスン学会でも,"Why Emi1y Dickinson Is Difficultto Teach in English-Challenges to Teaching Dickinson in Any Language"の題で翻訳に関わる問題を論じた。11月に藤田と小田がアメリカで研究打合せを行った際にも,"meter-making argument"と言語自体との親密さと,翻訳可能な思考の普遍性の関係は議論になった。パターソンの文化研究的なエマスンの風景詩の読み方からも新鮮な刺激を得た。 さらに今年度はエマスンの全体像を明らかにする詩集を作るために,彼の思想の表現としてすぐれたものを選び,それをトピックに従い分類,或いは説明解釈することを始めた。10月には藤田がソロー学会で山岳詩についての発表を行った。野田,小田もエmaスンの詩とエッセイとめ関係について試論をまとめた。年度後半は,特に,エマスンの風景詩についてエマスンの思考の表現を考えることに重点をおいた。来年度6月には,風景詩についての発表を行う予定で,3月に武田がアメリカで研究打合せを行った際には,翻訳の問題とあわせて,その準備となる話し合いも行った。
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