2008 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀フランス小説における女性とセクシュアリティと子供像
Project/Area Number |
18520205
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
高岡 尚子 Nara Women's University, 文学部, 准教授 (30403314)
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Keywords | 仏文学 / 文学一般 / 19世紀小説 / 女性論 / ジェンダー論 |
Research Abstract |
本研究は、19世紀フランス小説において、従来あまり注目されていなかった「子供像」が、文学表象としてどのように扱われているかを検討し、そこから得られる結果を元に、女性とセクシュアリティ(恋愛・結婚・生殖等の事象を含む)の関係を明らかにすることを目的としている。この手法およびそこから得られる結果を有効なものとするためには、まず、19世紀フランス文学が描きえた「子供像」についての、できるだけ多くのサンプルが必要となる。また、女性とセクシュアリティに関しては、19世紀フランスにおいて、女性がどのように位置づけられていたかを、さまざまな角度から検討しなければならない。と同時に、そうしたあり方を、現代の文学理論を応用しながら再検討し、新たな文析視点を視点を提示することが必要である。補助金による研究成果報告書を作成した。 1.「子供像」サンプルの収集と分類:19世紀フランス小説に描かれた「子供たち」を、大きく「無名の子供たち」と「活躍する子供たち」に分類し、それぞれの属性を考察した。このような、広範囲の作品を扱い、特に「子供像」に的を絞った研究はこれまでに例を見ないため、今後の研究に資するところが大きいと考える。 2.「母親像」とそのセクシュアリティリの類型化:「子供像」をサンプリングする過程において、「子供」のあり方と、母親のあり方にはかなり密接な相関関係があることが明らかになった。女性の社会的あり方を規定する「母親像」の類型化は有用と考え、セクシュアリティの観点からの分類を行った。 3.補助金取得期間中に発表した論文を元に大幅な変更とさらなる考察を加えつつ、研究成果報告書を作成した。
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Research Products
(3 results)