2007 Fiscal Year Annual Research Report
『カンタベリー物語』Hg、El写本及び刊本の言語的比較
Project/Area Number |
18520208
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中尾 佳行 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (10136153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地村 彰之 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00131409)
松尾 雅嗣 広島大学, 平和科学研究センター, 教授 (40106787)
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Keywords | Hengwrt写本 / Ellesmere写本 / 写本・刊本の校合 / The Cook's Tale / The Wife of Bath' Prologue and Tale / The Friar's Tale / The Summoner's Tale / The Canterbury Tales |
Research Abstract |
本研究の目的は、コンピュータを利用し、『カンタベリー物語』の2つの代表的な写本と2つの代表的な刊本を取り上げ、4つのテクストのコンコーダンスを作成し、チョーサーの言語研究及びテクスト批評に貢献することである。写本は、最も重要なHengwrt(以下、Hg)写本とEllesmere(以下、El)写本を、そして刊本は、Blake(1980、Hgに依拠)とBenson(1987、Elに依拠)を扱った。 平成19年度においては、The Cook's Tale、 The Wife of Bath's Prologue and Tale、 The Friar's Tale、 The Summoner's Taleに関して、上記2写本及び2刊本に基づく包括的なコンコーダンス、語彙リストを作成した。チョーサーのオリジナルテクストの推定及び編集過程を一層客観的・体系的に示すことができた。Oxford大学のT. Hoad教授と連絡を取り、コンコーダンスデータの解釈について、指導助言を受け、有益な情報を得た。 上記のコンコーダンスは、Stubbs(2000)のCD-ROM及び関連データに大きく依拠している。国際的連携の一環として行われた。本研究は、平成14年度のGeneral Prologue (Jimura, Nakao, Matsuo, Blake, and Stubbs(2002))、平成15年度のThe Knight's Tale (Nakao, et. al.2004)、平成17年度のThe Miller's Tale, The Reeve's Tale (Nakao, et. al.2006)のコンコーダンス・語彙リスト作成に続くものである。 2写本と2刊本の言語特徴を網羅的に検出できることで、チョーサーのテクスト批評及び言語の研究を大きく発展させるものと期待できる。
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Research Products
(5 results)