2007 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカのジャポニズム文学における異人種混淆とオリエンタリズムの研究
Project/Area Number |
18520229
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
中地 幸 Tsuru University, 文学部, 准教授 (50247087)
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Keywords | アメリカ文学 / ジャポニズム / オリエンタリズム / 異人種混淆 / 演劇 / 絵画 / モダニズム / 英語俳句 |
Research Abstract |
1.前年の日本比較文学会での発表「ジョン・ルーサー・ロングとデイヴィッド・ベラスコのジャポニズム演劇」を下地に論文「アメリカ世紀転換期のジャポニスム演劇-デイヴィッド・ベラスコとジョン・ルーサー・ロングの『神々の寵児』(1902)について」を『ジャポニスム研究』27号に発表した。また英語論文を2008年1月にハワイで行われた国際学会で英語で発表したが、海外の研究者との意見交換は有意義なものとなった。 2.『神々の寵児』の上演には、日本人芸術家の牧野義雄が関わっている。牧野義雄の著作や資料をイギリスの漱石博物館や愛知県の豊田市美術館、湯河原の重光葵博物館、一橋大学図書館などから集め、検討した結果を、『都留文科大学紀要』に発表した。 3.モダニズムとジャポニスムの関連を探るために、アメリカのニューメキシコ州サンタフェにあるジョージア・オキーフ・リサーチ・センターで調査を行った。オキーフはフェノロサとも親しかったアーサー・ダウの指導を受けており、日本的な絵画手法を表現の中に用いていることがわかった。モダニズムと融合したジャポニスムを考える上で重要である。この分野はさらに調査を続けたい。 4.アフリカン・アメリカン・モダニズムとジャポニスムの調査をアメリカの南部の大学で行った。とりわけ、モダニズムの時代に英米文学の中に取り入れられた俳句は、リチャード・ライトのようなアフリカ系アメリカ人作家においてどのような意味を持っていたのかを検討することが今後の課題として浮かびあがってきた。
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Research Products
(6 results)