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2009 Fiscal Year Annual Research Report

古代ロシア文語萌芽期の最終期における言語特性について

Research Project

Project/Area Number 18520239
Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

岩井 憲幸  Meiji University, 文学部, 教授 (60193710)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 服部 文昭  京都大学, 大学院・人間環境学研究科(研究院), 教授 (80228494)
Keywords古代ロシア語 / ルシズム / 古代教会スラブ語 / ムスチスラフ福音者 / アルハンゲリスク福音者
Research Abstract

最終年度である故にこれ迄の研究の総まとめを行ない,学会に知見を共有してもらうために年度末に報告書を作成し,研究者および関係機間に配布した。本年度は,岩井は従来の手法を用いて,Mstの重出テクストの問題につき残余のマルコ伝およびルカ伝を材料として研究し,特に重出の同一テクスト間に出現するtenseの差に着目し,aoristとimperfectの混淆に,ロシア語史上におけるMstを特徴づける位置が存すると考えた。文章語としてのtenseの体系へ東スラブ口語が浸蝕してゆく萠しは,先行のOstr 1056-57,とりわけArch 1092に顕著であり,後者はMstよりも語史上の資料として重要であることは言を俟たぬが,Mstはかかる東スラブ語内での文語と口語との衝突と相克と経た後,文章語としての古代ロシア文語を次のステージに引き上げつつあるプロセス中に位置するとみる。服部はaprakosの編集に注目し,synaxarionとmenologionに加えられる形でaprakosを構成している「主日の早課の十一の福音」の配置場所に着目し,カノン・テクストのaprakosとOstr, Arch, Mstなどの対照を行ない,その結果古代ロシア文語成立の過程における上記3本の位置づけ等につき,これ迄の我々の研究成果の再確認を行なった。特にMstにつき,本書がスラブ独自のaprakosであること,即ちキエフ・ルシが蓄積してきたキリスト教文化を十分に活用し拡充した特別の新しいタイプのアプラコスであること,さらに後世写本群に対し,Archとは別個の流れを形成する基となったものであると結論づける。以上は具体的証拠を提示した知見である。Mstの正順・逆順索引も一応完成した。

  • Research Products

    (3 results)

All 2010 2009

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 重出テクスト間にみる動詞のテンス差について-『ムスチスラフ福音書』マルコ伝,ルカ伝から-2010

    • Author(s)
      岩井憲幸
    • Journal Title

      古代ロシア文語萌芽期の最終期における言語特性について(私家版)

      Pages: 113-162

  • [Journal Article] 『オストロミール福音書』,『アルハンゲリスク福音書』,『ムスチスラフ福音書』-古代ロシア文語萌芽期における位置づけ-2010

    • Author(s)
      服部文昭
    • Journal Title

      古代ロシア文語萌芽期の最終期における言語特性について(私家版)

      Pages: 11-28

  • [Journal Article] <ze>か<-ze>か-『ムスチスラフ福音書』における<jakoze>a場合-2009

    • Author(s)
      岩井憲幸
    • Journal Title

      明治大学教養論集 446

      Pages: 1-22

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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