2006 Fiscal Year Annual Research Report
カナダ・ケベック州における文化政策とパフォーミング・アーツの発展
Project/Area Number |
18520240
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小畑 精和 明治大学, 政治経済学部, 教授 (30191969)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 アヤ子 明治学院大学, 教養教育センター, 教授 (70139468)
曽田 修司 跡見学園女子大学, 経営学部, 教授 (90348160)
藤井 慎太郎 早稲田大学, 文学学術院, 助教授 (10350365)
|
Keywords | ケベック / パフォーミング・アーツ / 文化政策 |
Research Abstract |
カナダ・ケベック州では1980年代以後、パフォーミング・アーツが盛んになる。それを支えてきたのが州政府の文化政策である。 もっとも成功した例はシルク・ド・ソレイユであろう。世界各国で上演され、日本でも何回も公演されているこの新形式のサーカスも、政府の記念行事から生まれたものである。ギイ・ラリベルテとダニエル・ゴーチエという二人の大道芸人が、フランス人探検家ジャック・カルチエ到来450年記念祭に招かれたのがきっかけだった。彼らの「大ツアー」La Grand Tour公演は1984年6月から1985年9月まで続き、大好評であった。それがもとになって、伝統的なサーカスに、ミュージカルや他のパフォーマンスの要素を加え、また、動物を使わない新しいサーカスが生み出されたのである。言語を重視せず、道化たちも言葉よりも動作で笑いをとることを旨としている。これはモントリオールと言う多言語社会でこのサーカスが育ったことと無関係ではあるまい。 特筆すべきは、毎年モントリオールで開催される「舞台劇術国際見本市」 Commerce international des arts de la sceneであろう。様々な舞台芸術がここで発表され、それに買い手がついていく。アートをビジネスに結びつける重要な役割をこの市は担っている。ここから、ダンスのラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップや、マリー・シュイナールカンパニーも育っていった。 また、ケベック音楽・演劇芸術院Conservatoire de musique et d' art dramatique du Quebecでは、演劇人の養成が行われており、世界でも稀な「劇作科」もある。
|
Research Products
(1 results)