Research Abstract |
昨年度と同様,本年度の研究は文献・資料の収集,データの整理,現地調査,研究発表を中心に行なった。 1.【文献・資料の収集,データの整理】 十九世紀から現代に渡るベルリンを中心とするドイツ演劇関係の基礎文献・資料,劇作家の作家研究,戯曲研究,劇場史,都市論,建築論,近代思想史,メディア論など近代国家の文化空間の表象に関する文献の購入を進め,分析し,その結果を公表した。さらに,日本におけるドイツ語圏の演劇表現の受容に関してブレヒトを例に取り上げ,ブレヒト上演史における最近の新しい傾向を明らかにするために,日本大学藝術学部演劇学科の企画した第34回演劇資料展図録に論考を発表した。 2.【現地調査】 2007年5月にベルリン芸術アカデミーの映像資料アーカイブを訪れ,同アーカイブが所蔵している舞台映像と資料を調査した。同アーカイブは,旧東ドイツ時代の東ドイツ演劇に関する資料を,上演台本,公演プログラム,舞台写真,舞台映像を中心に幅広く収集して保存しており,演劇の制度研究にとっても貴重な資料の宝庫である。また,昨年に引き続き当地で行われている演劇祭「ベルリンの出会い」事務局を訪れ,その歴史,理念,組織,運営の実態を見学した。ヨーロッパの他地域の代表的な演劇祭とは異なり,「ベルリンの出会い」はシーズン中のドイツ語圏の各劇場の舞台から10作品を選び,ベルリンの複数の劇場に招聰する独自のやり方をしている。 3.【研究発表】 以上の研究活動の成果発表は「11.研究発表」に記載。
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