2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
臼井 雅美 同志社大学, 文学部, 教授 (00223537)
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Keywords | コロニアル文学 / 美術史 / 芸術学 / 美学 / ポストコロニアニズム研究 / 英語圏文学 |
Research Abstract |
19世紀に見られた女性の芸術分野への進出は、新しい芸術媒介となった写真にみられ、その代表が、20世紀を代表するイギリスの女性作家Virginia Woolfの叔母であり劇FreshwaterのモデルとなったJulia Margaret Cameronである。フランス人の母とイギリス人の父のもとに植民地化されたインドで生まれ育ち、イギリスにおいて芸術家が集まるサロンの主人となり、自らは写真の芸術性を高めた。20世紀の新しい女性と芸術の創造に関わったWoolfと20世紀女性芸術家の先駆的役割を果たしたCameronに関する論文を発表した。 また、ヨーロッパの植民地主義イデオロギーに支えられてきたオセアニア諸国に関する新しい領域のリサーチを開始した。2006年12月28日から2007年1月3日にかけてのオーストラリアにおけるリサーチでは、メルボルンのヴィクトリア州立図書館、メルボルン博物館、現代美術館、シドニーのニュー・サウス・ウェルズ州立美術館と現代美術館において、18世紀から現代に至るまでのオーストラリアを代表する芸術家の作品を鑑賞し、さらに資料を収集することができた。特に植民地時代におけるヨーロッパの影響を受けたオーストラリアへの移民芸術家から、第一次世界大戦下において戦争絵画を創作した女性芸術家、さらにはオーストラリアの先住民族であるアボリジニの芸術迫害とその後の保護活動に関しての文献、そして白人優先主義の中で民族の尊厳と自由を奪われたアボリジニ女性の伝記的作品に関する資料収集を行った。
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Research Products
(1 results)