2007 Fiscal Year Annual Research Report
マルセル・プルースト受容研究:初期批評から文学史形成まで
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18520252
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Research Institution | Tezukayama Gakuin University |
Principal Investigator |
禹 朋子 Tezukayama Gakuin University, 文学部, 准教授 (30309364)
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Keywords | 仏文学 / フランス / マルセル・プルースト |
Research Abstract |
1.関連図書、新聞・雑誌記事の書誌データベースを補完・修正しつつ、現物ないし複写を入手する作業を継続した。国内外で資料を閲覧できるものについては、記事の該当があることの確認を行い、情報を修正・補完した。既存の書誌情報の誤りにより該当記事が確認できないものや、現物の状態が悪く、かつマイクロ化されていないために閲覧できない資料も一定数あった。チェック済みの新聞・雑誌記事(約2000タイトル)については全件、国内図書館、フランス国立図書館、フランスの大学図書館、フランスの私立等図書館の優先順で複写を依頼した。図書については古書店での入手、国内図書館からの貸借・閲覧、外国図書館での閲覧の優先順で入手、閲覧を行った。しかし所蔵状況から資料の大半を依頼したフランス国立図書館については、回答までに数ケ月を要した上、状態が悪い紙媒体資料だけでなく、マイクロ化されている資料の複写が謝絶されるケースも多くあり、資料入手上、大きな障害となった。現地にて担当司書と面談の結果、該当の新聞・雑誌についてはもはや紙媒体での所蔵がなく、マイクロ資料についても館内閲覧用に一組あるのみで、複写は謝絶しているという事情が判明した。可能性としてAssociation pour laconservation, et la reproduction photographique, de la presse(略称ACRPP)と交渉するよう薦められコンタクトを開始したが、費用が高額で、予算不足が判明した。平成20年度に正式依頼する。 2.プルースト批評とフランスにおける精神分析の受容については関連資料が入手できたので、論文にまとめた(2008年4月14目開催のプルースト研究会(於京都大学)にて口頭発表の上、現在Bulletin Marcel Proustへ投稿中)。その中で、フランスにおけるフロイトの著作の出版は『失われた時を求めて』の出版途中の1920年に始まっており、これが丁度プルーストの小説中、特に批評家の批判を招いた人物の人格崩壊という問題に解釈と正当化の糸口を与えたことを述べた。
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Research Products
(4 results)