• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2006 Fiscal Year Annual Research Report

「少女」向け名作再話の成立と展開--児童文学における翻訳叢書とジェンダー意識

Research Project

Project/Area Number 18520258
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

佐藤 宗子  千葉大学, 教育学部, 教授 (40162490)

Keywords児童文学 / 少女 / ジェンダー / 翻訳 / 再話 / 叢書 / 推理小説 / 比較文学
Research Abstract

1 戦後の1950年代から70年代にかけて刊行された「少女」向け翻訳叢書について、すでに集積していたデータを基盤として、その中からとくに金の星社刊の「少女・世界推理名作選集」を選び、各館の収蔵状況をもとに、刊行の実態を調査した。またそれに関連する探偵・推理小説の翻訳叢書についても、複数の叢書を調査した。その結果、戦後の社会状況とまさに合致するかたちで、「少女」向けに推理小説の翻訳が行われていたことが明確になった。その一方、ウールリッチ作品の翻訳に注目した研究からは、表立って理想とされる行動的な「少女」像の追求の裏側に存在する、「哀れさ」を基調とする「女性」像が、媒介者の意識にあることが明らかとなった。
2 「児童文学翻訳総覧」をもとに、とくに戦前・戦後を通じて翻訳・再話の多いディケンズ作品に注目した。そして調査を続けた結果・同総覧には収載されていない再話作品の重要性が浮上した。『オリバー・トゥイスト』の再話にあたる佐藤紅緑「緑の天使」である。ここには、「少女」である登場人物の強化と付加という、二通りの方法が用いられており、「少女」イメージも複層的なものが存すると考えられる。これについては今後、さらに検討をしていきたい。
3 これまでの研究の途中経過的なまとめとして、「ジェンダーと児童文学」というテーマを追求し、まとめた。次年度には刊行の運びとなるが、これをもとに、児童文学における翻訳・再話行為と、「少女」を中心とするジェンダー意識の関連を、理論的に整理しているところである。

  • Research Products

    (1 results)

All 2007

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 「少女」が「推理小説」を読む時-戦後のジュニア向け翻訳推理叢書にみる「読書」への期待-2007

    • Author(s)
      佐藤宗子
    • Journal Title

      千葉大学教育学部研究紀要 55

      Pages: 344-352

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi