2007 Fiscal Year Annual Research Report
中国舟山の人形劇に見る口承文藝の研究-「説唐」故事を中心に-
Project/Area Number |
18520261
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
橋谷 英子 (馬場 英子) Niigata University, 人文社会・教育科学系, 教授 (80189513)
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Keywords | 劇 / 口承文学 / 国際情報交換 / 中国・舟山 |
Research Abstract |
平成19年8月16日から24日まで、昨年に続き、中国舟山定海市を訪問した。人形劇団侯家班に三日間、午前午後計12時間「郭子儀」戯の続きを上演してもらい、ビデオに録画した。四日目は、舟山の人形劇団の現状を調べるため、双〓新裕村の黄其善一座に「金獅豹」を上演してもらった。団員は三人で農業をやりながら、兼業で行っている。 また平成20年3月7日から14日まで、再度、舟山を訪問し、前回と同じく侯家班に「郭子儀」戯の続きを三日、計12時間上演してもらった。他に、一日、侯家班が橄欖鎮の党書記の家で願ほどきの劇を演じるのを見学した。 「郭子儀」戯については、二年間で十二日、計24時間上演してもらったことになるが、更にまだ十数日分ある、という。 評書の整理本「月唐演義」を手に入れたので、比較してみたところ、上演範囲は全五十回のうち、三十回までにあたり、内容はほぼ等しいが、神仙が登場する信仰にかかわる部分が、この84年に出た整理本では、みごとにカットされていることがわかった。主演の侯雅飛氏の話では、後半部分が整理本では削られている、という。 今年度も舟山民間文芸家協会会長の張堅氏に劇の上演中の解説をお願いした。中央大学非常勤講師瀬田充子氏に同行してもらい、写真撮影、録音を担当してもらった。 なお、平成19年9月には、東京経済大学の招請で来日した侯家班について、18日に国立オリンピック記念青少年総合センターでワークショップをおこない、広く市民に中国舟山の人形劇を紹介した。 上演原稿の整理もだいぶ進んできたので、方言に国際音標文字よる注音を、元舟山海洋学院教授方松熹先生に依頼した。
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