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2006 Fiscal Year Annual Research Report

高行健を中心とした華文文学の総合的研究

Research Project

Project/Area Number 18520263
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionShiga University

Principal Investigator

楊 暁文  滋賀大学, 国際センター, 准教授 (60314142)

Keywords高行健研究 / 華文文学 / ノーベル文学賞 / 申小龍 / 華文作家 / 海外華文文学 / 意識の流れ / 言語の流れ
Research Abstract

本年度の研究実施計画通り、研究は関係文献の購入と日本国内現有の華文文学関係資料に関する調査によって、順調に進み、新たな知見が得られたのである。
日本では1987年末高行健が中国を離れた後の創作活動、つまり中国作家としてではなく、中国と台湾のような中国語環境でない異文化のなかで母語による作品を意欲的に発表し続けている華文作家としての高行健の文芸的営為に関する本格的な研究が行われておらず、高行健研究における空白の状態が続いている。この空白を埋めようとするのが本年度における研究の目的である。
「意識流」(意識の流れ)を理論的に中国に紹介し、かつその実践を積極的に行った高行健であるが、渡欧後の彼に大きな変化が見られるようになった。「意識流」を止揚し、「語言流」(言語の流れ)を主張するようになったのである。「言語の流れ」について高行健による定義はあったものの、定義の細部に関しては曖昧さが残されたままであった。それゆえ、意味が曖昧模糊としたまま、「言語の流れ」は高行健に関する紹介や論評のなかで使われるケースが少なくない。本研究によって、この「言語の流れ」の内実が明らかになった。
独特な「人称の転換」に、ダイナミックな「多様な叙述スタイルの競演」を加えて、世界に唯一無二の「高行健文体」が完成したのである。これこそ、「言語の流れ」の真骨頂である。「高行健文体」は、「中国語による小説芸術と戯曲に新しい道を切り開いた」(The Nobel Foundation2000)と高く評価され、海外華文文学の一つの範を示すとともに、華文作家としての彼の不動の地位を築いたのである。

  • Research Products

    (1 results)

All 2007

All Book (1 results)

  • [Book] 南腔北調論集-中国文化の伝統と現代2007

    • Author(s)
      山田敬三, 楊暁文ほか
    • Total Pages
      919-944
    • Publisher
      東方書店

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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