2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520264
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 時雄 Kyoto University, 人文科学研究所, 教授 (60150249)
|
Keywords | 中国語 / 表音文字 / ローマ字 / チベット文字 |
Research Abstract |
本研究は中国語と漢字との関係の本質を探り、その問題について初歩的な解答を与えるため、表音文字による中国語書写の歴史を辿り、言語的及び社会的両面からその特質を考察することを目的とする。この目的を達成するため本研究では、資料として一定のコーパスを確保し得る諸事象について、それぞれの歴史的経緯を検証したいと考えている。本年度は次のような研究成果を得た。 (1) 9・10世紀敦煌におけるチベット文字使用につき、再検証を行い、チベット文字書写「長卷」の文字単位索引を作製した。 (2) またプロテスタント宣教師のもたらしたローマ字使用について、台灣台南市の長榮中學、台南神學院、國家台灣文學館において収集した豊富な材料の整理を進め、資料の草目を作製した。また宣教師の伝記や報告から教会ローマ字関連の記述を抜きだし、資料彙編を編纂した。また自身の所蔵する教会ローマ字資料の整理を行い、「映日書屋所蔵〓南語教会羅馬字文献目録」(未定稿)を作り、WEBで公開した。http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~takata/LuomaziCata.pdf (3) 昨年度、中国甘肅省南部の回族地域の中心地である臨夏のモスクにおいて収集した小兒錦資料の整理を行い、四川など他の地域の小兒錦資料、またドゥンガン族の伝えたアラビア文字資料などとの比較に基づく方言学的な分析を進めた。 (4) 新たな視点として唐代のインド文字使用に関わる研究の端緒を得るため、玄奘の大唐西域記のテキスト研究を行い、それに関する論文を執筆し、また研究発表を行った。
|
Research Products
(6 results)