2007 Fiscal Year Annual Research Report
越境するロシア演劇-演劇の近代化とロシア型演劇システムの伝播
Project/Area Number |
18520267
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
楯岡 求美 Kobe University, 国際文化学研究科, 助教授 (60324894)
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Keywords | ロシア演劇 / メイエルホリド / コミッサルジェフスキー / ユーリー・ロトマン / アヴァンギャルド / レールモントフ / デザイン / スタニスラフスキー |
Research Abstract |
本研究は、従来エピソード的に扱われてきたロシア演劇を軸に20世紀の初頭の演劇の近代化を考察することを目的とする。 本年度は、ロシアにおいて、「演劇」19世紀以来、上流社会の日常において重要な位置を占める概念であることをユーリー・ロトマンの研究を手がかりに、レールモントフらの文学作品を通して検証した。このことによって、ロシア象徴主義以降、詩とともに、とくに演劇がロシアにおいて重要な芸術表現としてジャンルをこえたアーティストたちが関わっていくようになる素地が明らかにできた。 また、モダニズム以来、総合芸術として文学・美術・音楽といった他の芸術への広がりをみせた演劇の規範を再考するために、バレエ・リュスや工業化とともに発展したプロダクト・デザイン、アヴァンギャルド・デザインなどの演劇を取り巻く文化状況について概観し、資料整理を行った。 手続きと日程の関係で、本年度に予定していた長期の海外出張がかなわなかったので、次年度にそれを実施したい。
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