2008 Fiscal Year Annual Research Report
アジア言語における「動詞と名詞の連続性」に関する認知類型論的対照研究
Project/Area Number |
18520290
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀江 薫 Tohoku University, 高等教育開発推進センター, 教授 (70181526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
パルデシ プラシャント 神戸大学, 文学部, 講師 (00374984)
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Keywords | 間主観化 / 文法化 / 定形性 / 名詞修飾構文 / 名詞化構文 / 文末の語用論的機能 / 認知と談話 / アジア言語 |
Research Abstract |
本年度は、最終年度にあたり、名詞と動詞の連続性に関する認知類型論研究の集大成として以下の4つの方向性の研究を行った。 (1) 名詞修飾構文と名詞化構文および両者の連続性関する類型論的研究 (成果)従来別種の構文として分析されてきた両者の平行性が明らかになった。 (2) 日本語と韓国語の名詞志向構造対動詞志向構造に関する対照言語学的研究 (成果)日本語の名詞志向構造が文の中核部かち周辺部まで広く分布している実態が明らかになった。特に文末において日本語の名詞化述語が韓国語で動詞述語に対応していることが多いことが分かった。 (3) 「定形性」に関する認知類型論的研究 (成果)韓国語に比べて日本語の「定形性」がより相対的であることが明らかになった。特に、従属節と主節の終端で用いられる述語の形式の区別が日本語においてより曖昧であることが検証された。 (4) 名詞化構文の文法化に関する対照言語学的研究 (成果)日本語の名詞化構文の文法化の拡張の度合が韓国語よりも高いことが明らかになった。 これらの研究成果はNew Reflections on Grammaticalization 4、日本英語学会(招請)、CSDL9、CIL(国際言語学者会議)、言語科学会、言語学会等の国内外の学会発表、Studies in Language Sciences, Rethinking Grammaticalization : New Perspective for the Twenty-first Century (John Beniamins), Asymmetric Events (John Beniamins)、『言語』等の風内外の学術誌において論文として発表した。そして2009年(印刷中)の『言語のタイポロジー-認知類型論のアプローチ-』(研究社)という共著著書として結実した。
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Research Products
(20 results)