Research Abstract |
本年度はフランス語の他動,受動,自動詞,代名動詞,非人称の構文の相互の間の対応関係の分析のこれまで3年間の成果をまとめつつ,他の構文も含む構文体系全般のデータベースの充実にも時間を割いた。また,個別動詞payer, laisserの分類・分析も実施出来た。 対象構文の割合は,ほぼ次の通りである。他動詞能動(40%),受動(5%),自動詞(3%),代名動詞(6%),非人称(9%)。これらの相互間での特に目立つ対応関係を挙げるとNO-V-N1-aN2〓N1-etre Ve-aN2, N0-V-N1〓N1-se-V, N0-V-N1-aN2〓N1-se-V-aN2, N0-V-N1-aVin.f2〓N1-se-V-aVinf.2, N0-V-N1-deN2〓N1-se-V-deN2, N0-V-N1〓N1-V, N0-V〓Il0-V-N0,等である。これらの対応関係は概観であるが,個別の動詞ごとの頻度も含めた分析は更に興味深いものになる。例えば, payer「支払う」の個別の特徴としては, N1に来るものの広がり(「支払いの対象,相手,金額」)で,これとの関係で構文構成要素や構文間の対応関係も決まってくる。laisser「〜を〜に残す」には使役に近い構文(N0-laisser-Vinf.l-N2)があるが,これも含めて,全構文がN0-laisser-N1-LocN2(Loc:場所の前置詞)やN0-laisser-N1-A2 (A2:形容詞で属詞機能)との関係が認められ,この観点から構文間対応もまとめらる。 実例調査・分類はLe Monde紙(フランスMarne-la-Vallee大学IGM・LADL研究所のUnitexプログラムによる)やFrantext(フランスINLAF研究所)のものを主に利用した。
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