2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520300
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
御園生 保子 Tokyo University of Agriculture and Technology, 国際センター, 教授 (00209777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 由香里 東京農工大学, 大学教育センター, 准教授 (90376848)
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Keywords | 音声学 / 音声言語 / 韻律情報 / ピッチパタン / 発話意図解釈 / プロゾディ / intensity |
Research Abstract |
本研究では<否定>と<文末詞>のジャナイを取り上げ、スキジャナイ下降調を例としてピッチを分析再合成した音声を用いた試聴実験を行って、<否定><文末詞>それぞれに聞こえるピッチパタンの範囲を明らかにした。 <否定><文末詞>それぞれの用法として話者の発話意図と聞き手の解釈が一致した音声で、発話持続時間が大体同じ音声を材料として、スキジャナイのジャとナイの母音を半音ずつ6段階に加工した。6×6×2=72個の音声をランダムに並べたものを試聴実験の刺激として、初年度は<文末詞>と<否定>の強制選択実験と、<否定><文末詞>それぞれの用法としての音声評価実験を行った。 次年度はintensityが発話意図解釈に与える影響を知るため、<文末詞>と<否定>の音声のintensityを加工して試聴実験を行った。 2年間の実験結果をまとめると以下の2点になる。 1.<文末詞><否定>のそれぞれに判定されたピッチパタンは異なる。<否定>に聞こえる音声はキからジャにかけての下降が急激で、ナイに小山があることが特徴である。<文末詞>ではキからジャにかけての下降が小さくナイの下降がなだらか、または最後に直角的に下がる。 2.ピッチレンジではジャが高いと<文末詞>に、ジャ・ナイが低いと<否定>に判定される傾向がある。 3.<文末詞><否定>のどちらに聞こえるかを決定するのは主としてピッチパタンであり、intensityの影響は小さい。 実験に用いた刺激ではキの母音のピッチは固定して、ジャとナイのピッチを変えたものであった。その刺激の範囲では<否定>の判定のほうが多かった。キのピッチが高くなると、<文末詞>の判定が増えることが予測される。用法の判定にはスキジャナイのすべての母音のピッチが関与していることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)