Research Abstract |
本年度は二年目ということで,本研究も調査研究が本格化したが,一年目に計画した新聞投書自体の文体や内容の分析と性別判断調査の結果の再検討が、結局,膨大な量の資料であることが,調査を行いながらわかってきた。1年目にたてた計画をやり遂げることが最大の目的となり,2年目においても,資料の分析を中心に行った。 一方で,その中間報告を,2007年7月にスエーデンのイエテボリで行われた第10回国際語用論学会で発表した。今回は,日本国外での発表ということで,非常に意義深いものとなった。それは,新聞投書の社会的位置づけと新聞投書を利用したジェンダー意識調査を広く、国外の研究者にも公開することが、本研究の一つの目標でもあったからてある。研究者の反応はさまざまであったが,本研究にとって,さらにその意義を深め,改善すべきところも発見できた重貴なものであった。このような機会があれば,また,発表したいと考えている。 本研究は,新聞投書の教育的活用に向けた取り組みであるが,その基礎ともいえる,これまでの10年間の全国紙で掲載された新聞投書の分析は,当初計画していたよりも,時間のかかるものであることが実感できた。しかし,これは,マイナスではなく,むしろ,プラスにとらえることもできた。基礎的な資料をきちんと分析していくことが,ひいては,その応用ともいえる,教育的活用に生かすことができるということが次第に実感するようになった。
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