2007 Fiscal Year Annual Research Report
移行経済におけるアングロ・アメリカ文化の影響とロシア語新語彙の研究
Project/Area Number |
18520315
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
斉藤 久美子 Wakayama University, 経済学部, 准教授 (80205640)
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Keywords | ロシア語 / 英語 / 市場経済 / 語彙論 / ビジネス用語 / 体制間比較 / 米語 / 英米文化 |
Research Abstract |
本研究ではロシアにおける市場経済移行過程において、特にアングロ・アメリカ文化の影響を受けたロシア語語彙の変化を、具体的に検討した。 旧ソ連時代、社会主義体制の下、ロシアをはじめとするロシア語圏である旧ソ連各国では利益を生み出すことが「悪」であったように、ビジネス関係の用語のみならず概念がほとんど存在していなかった。それが、社会主義体制が崩壊し、市場経済の進展とともに、今まで存在しなかった概念が現れ始めた。当初はそれに対するロシア語語彙が存在せず、様々な語彙が生まれた。やがて、それはアングロ・アメリカ文化の影響とともに、一部は制度的に、また残りは慣習的に一つの概念が一つの語彙に収斂されていく。 本研究では、まず、ビジネス関係、具体的には経済、経営、税制、金融、会計などの分野に顕著であるロシア語語彙の変化を整理した。次に、近年、急発展を遂げている分野、具体的にはIT関連や環境関連の用語の変化を整理した。そして、ロシア経済発展の中で今までまたロシアではあまり関心がもたれていなかった分野、しかし経済発展に密接に関連する分野、たとえばレジャー関係の用語もまたアングロ・アメリカ文化の影響を受けていることに着目し、整理した。しかしながら、これらの分野はあまりに幅広く、当然ながら扱った領域は限定されている。その一つはたとえばマリンスポーツに係る分野である。 これらの研究の一部を研究成果として論文にあらわしたが、近々成果の一部を著書として公表する予定である。
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