2008 Fiscal Year Annual Research Report
女性ボクシングトレーナーによる「男性専用」動詞命令形の文脈に埋め込まれた機能
Project/Area Number |
18520328
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
岡田 みさを Hokusei Gakuen University, 経済学部, 准教授 (90364215)
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Keywords | ジェンダー / 会話分析 / 男性語 / 動詞命令形 / マルチモダリティ / 文脈 / 機能 |
Research Abstract |
最近の「言語とジェンダー」研究では、日本語のいわゆる「女性語」「男性語」の概念は言語選択時のコンテキストから乖離した抽象的な「イデオロギー(ある言語選択をすべきだという規範意識)」である、という批判が起こっている。本研究ではこの立場に立ち、これまで「普通の」女性の言語のモデルから「例外」としてあまり顧みられることのなかったスポーツ(ボクシング)指導に従事する女性の言語使用を分析した。特に、ボクシング指導時に女性トレーナーによって使用される、これまで男性専用指示表現とされてきた動詞命令形(例:「打て」)に焦点をあて、1)どのような談話文脈でこれらが選択されるのか、2)そのコンテキストにおける、これらの言語形式を含む発話機能は何か、を分析した。 本年度、データ編集・処理法の調査・文字化として、データ書き起こし方法を検討し研究補助者に書き起こしを依頼した。本年度末現在で本研究データベース全体の約70%が書き起こし済みである。本年は、本論文のデータを用いまた本論文の方法論を発展させて、言語表現「はい」の機能研究について論文を完成した。その際、同研究のデータ画像の加工処理を研究補助者に依頼した。また同論において、動詞命令形論文の方法論的課題であったマルチモダリティー重視の分析方法をさらに発展させ、参加者の活動への志向を表す「参加」の概念を検討した。この「はい」の機能研究については、平成21年度初頭に出版予定である。 動詞命令形のデータ分析及び分析結果の考察としては、これらの動詞命令形が話者の性のみでなく、その場の行為や活動の様々な要素(身体動作、動作の即時性の希求など)と結びついていることを明らかにした。平成20年度中旬、本研究の成果を「Japanese Applied Linguistics」という著書の第6章として出版した。
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Research Products
(2 results)