2006 Fiscal Year Annual Research Report
分節音の弁別機能における心的辞書の分布特性の役割について
Project/Area Number |
18520336
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
北原 真冬 早稲田大学, 法学学術院, 助教授 (00343301)
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Keywords | 音声学 / 音韻論 / 弁別機能 / 心的辞書 / 機能負担量 |
Research Abstract |
計画初年度にあたる今年度は、設備としてタキストスコープとその制御ソフトウェアの導入を計画していた。しかし、その後の調査によって一般的なPCにおいて利用できるソフトウェア(E-Prime)のみによって所期の実験が可能であるとの見込みが得られたため、それを導入しセットアップやノウハウを蓄積することに務めた。また、実験に用いる刺激単語を得るために、産業技術総合研究所情報技術研究部門音声情報処理グループが作成し、研究用に公開されている音声データベースを精査し、検索用のスクリプトを自作した。このデータベースは音素バランスを取った1542語を男性10名、女性10名がそれぞれ発音した音声データから成り、サンプリング周波数は16kHz、量子化ビット数は16bitと音声刺激として用いるのに必要十分な質と量を備えている。音素あるいは弁別素性ごとの機能負担量をモデルに基づいて算出した「課題番号14710375:心的辞書の分布特性が音声知覚にもたらす影響について」の成果に基づき、刺激に必要な単語群を抽出する作業を現在進めている。また、4-5名の被験者に一斉に実験を行うためのノートPCのクラスターの設置とそのセットアップを行った。これらの予備的な作業に基づき、主に反応時間を計測するいくつかのパラダイムで、機能負担量の定式化を目指す実験を準備中である。具体的には異同課題(same-different task)、語彙判断課題(lexical decision task)、読み上げ課題(naming task)の三つを組み合わせて用いる。
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