2009 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ語の心態詞の意味・機能と音声的特徴および日本語との比較・対照
Project/Area Number |
18520337
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
生駒 美喜 Waseda University, 政治経済学術院, 教授 (90350404)
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Keywords | 音声学 / 独語学 / 意味論 / 談話研究 / 韻律的特徴 |
Research Abstract |
平成21年度前半は、平成20年度までに収集した心態詞schonを含む短い短文の発話データについて、母語話者総勢10名による知覚実験を行い、それぞれの意味・機能がコンテクストなしの音声データのみで母語話者によって識別されるか否かを調査した。 その結果、心態詞schonの主たる4つの意味・機能(1.確信2.限定つき肯定3.反論4.時間)のうち、1.確信と3.反論の意味・機能のみ、時折識別が難しいケースが見られた。その他の意味・機能についてはほぼ100%区別されることが明らかとなった。この結果については、平成21年夏に京都にて行われた「日本独文学会語学ゼミナール」にて口頭発表を行い、論文集に論文を投稿した。 口頭発表において、実験の状況文に一部暖昧な点があり、そのために発話文に本来意図されたschonの意味・機能が正しく現れていない可能性が指摘された。さらに、連携研究者がこれまでに行ってきた、母語話者2名による対話データの意味分析により、心態詞schonにおける上記の4つの意味・機能の他に、新たに2つの機能(5.驚き6.確認)があることが明らかになっている。 これらを踏まえ、平成21年度後半は、研究代表者が連携研究者と共同で、心態詞schonの6つの意味・機能に関して新たに実験文・状況文を練り、ドイツ語母語話者を被験者とした発話実験を行い、音響分析を行った。実験データ収集および音響分析作業は来年度前半にも引き続き行う予定である。
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Research Products
(2 results)