2006 Fiscal Year Annual Research Report
ムンダ語における感情語の研究とそのデータベースの構築
Project/Area Number |
18520345
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
長田 俊樹 総合地球環境学研究所, 研究部, 教授 (50260055)
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Keywords | 言語学 / ムンダ語 / 感情語 / 擬態・擬音語 |
Research Abstract |
ムンダ語の感情語を網羅的に研究するために、まず既存の辞書を使って、感情語を記述することから初年度ははじめた。ムンダ語にはさいわいエンサイクロペディア・ムンダリカという16巻におよぶ百科事典があり、そのなかの感情語を抜き出して、それを打ち込む作業をおこなった。ただし、感情語にはかなりのヴァリエーションが存在し、エンサイクロペディア・ムンダリカにはそのヴァリエーションを一つの単語の異形態と見なしているケースがあるため、エンサイクロペディア・ムンダリカをそのまま打ち込むだけではほとんど意味をもたない。 そこで、日本在住の唯一のムンダ語母語話者に打ち込みを依頼し、エンサイクロペディア・ムンダリカの記述を打ち込むだけではなく、その形式がムンダ語母語話者の話すムンダ語には存在するのかどうか、また存在している場合はエンサイクロペディア・ムンダリカの記述が妥当かどうか、さらに存在しない揚合にはその意味を持つムンダ語母語話者の方言での形式はどうなのか、等々をすべて打ち込む作業を依頼した。ただし、今回は母語話者の体調不良により、予定通りに進まなかったため、19年度には本格的な打ち込み成果を得るべく、引き続き打ち込み作業を継続していただいている。 また本年度は、感情語に関連する書籍を購入し、日本語における擬音語、擬態語の研究やその他世界の諸言語に見られる感情語について、できるだけデータを集め、ムンダ語の感情語の分析に役立つような方法論をいろいろと探った。19年度には感情語の打ち込みのめどを立て、19年度に行われる国際学会で、その成果の一端を発表する予定である。
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