2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520353
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蜂矢 真郷 Osaka University, 文学研究科, 教授 (20156350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金水 敏 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70153260)
岡島 昭浩 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (50194345)
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Keywords | 文献 / 語彙・語法 / 国語史 / 不整合性 / 近世・近代 / 文語文 / 擬古的表現 |
Research Abstract |
本研究「文献に現れた語彙・語法と国語史の不整合性について」は、前研究2003〜2004年度「文献に現れた述語形式と国語史の不整合性について」に引き続いて、「口語性」と不連続・不整合を見せる語彙ないし形態を積極的にとり挙げ、その由来、発展の過程を明らかにしようとするものである。 従来の国語史研究は、「口語性」を反映していると言われる文献が特に重視されてきた。また、必ずしも口語的でない文献からも、「口語性」が露呈していると言われる部分を、言わば恣意的に取り出して利用するということが行われてきたところがある。前研究および本研究は、このような従来の観点を裏返し、「口語性」と不連続・不整合を見せる語彙ないし形態を積極的に取り上げ、これまでは切り捨てられてきた資料に光を当てることによって、国語のより豊かな実態が明らかになるであろうと考えるものである。本研究を押し進めることにより、国語の歴史的な流れはより重層的・立体的にとらえられることになると見られ、従来の国語観・国語史観に大幅な改変が迫られることもあり得る。 具体的には、近世・近代における文語文における語彙・語法を中心としてとり挙げる。前研究では「述語形式」に限って検討してきたが、本研究では、対象とする範囲を広げて、名詞や接頭語についても検討して行くことにする。擬古文が目指すのは主に中古であると言われるが、中古よりむしろ上代を目指した擬古的表現もかなりあることを明らかにできたと思われる。口語との接触、また、その他の理由により、変形を受けることもあるなど、いろいろな語彙・語法のあり方についても検討してきた。本研究の標題のもとに、理論的な面を含めてそこから広がる問題についてもとり挙げて行く。
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Research Products
(4 results)