2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520363
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
鈴木 豊 Bunkyo Gakuin University, 外国語学部, 教授 (70216456)
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Keywords | 連濁現象 / ライマン / 「姫考」 / 『古事記』 / 非連濁規則 / ライマンの法則 / 連濁の起源 |
Research Abstract |
連濁に関して総合的に研究を進めるうえで必要不可欠な先行研究のリスト(鈴木豊(2006)「近代以降連濁研究文献目録(1883-2005)」,『文京学院大学外国語学部文京学院短期大学紀要』第5号)の補訂作業を行った。文献目録補訂作業の中心は学会発表資料や海外で発表された論文の収集が中心である。また平行して「連濁・非連濁規則一覧」「語頭濁音語一覧」の補訂作業と連濁語のデータベース化も進めた。平成19年度に公表した成果は以下のとおりである。 [1]鈴木豊(2007)「ライマン法則例外の成立過程について-「タカラガイ」(宝貝)を後部成素とする語の連濁-」,『文京学院大学外国語学部文京学院短期大学紀要』第7号,pp.279-294文京学院大学総合研究所 [1]ではライマンの法則の例外となる語のうち、「ハシゴ(梯子)」と並んで現代語としてなお複合語の生産性が強い「タカラガイ」を後部成素とする語について考察した。その結果、以下の結論を得た。A・B・C3つの形態素から成る複合語のうち、ライマンの法則の例外となるのは[A[BC]]の語構造をもつ複合語のBCが連濁する場合である。その成立条件は、 (1)複合語[BC]が存在する。Cは連濁形。例、「タカラガイ」「ハシゴ」 (2)[BC]の省略形[B]を後部成素とする複合語[AB]が存在する。Bは連濁形。例、「ホシダカラ」「ノボリバシ」 (3)[[AB]C]の複合語が存在する。Cは連濁形。例、「ホシダカラガイ」「ノボリバシゴ」 (4)上記(1)〜(3)の条件を満たすとき[X[BC]」は[[AB]C」に対して類推作用が働く場合に限り連濁形をとる。例、「アフリカダカラガイ」「ヒジョウバシゴ」
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